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電子カルテで療養指導のスキルアップに

医療法人健清会 那珂記念クリニック 副院長 療養指導部部長 道口 佐多子先生

【略歴】
1978年 3月 埼玉県立医療短期大学 第2看護学科
1978年 4月 東京女子医科大学 糖尿病センター
1980年 4月 水戸協同病院
1998年 7月 医療法人健清会 那珂クリニック 療養指導部部長
2001年    日本糖尿病療養指導士
2003年10月 医療法人健清会 那珂記念クリニック 療養指導部部長
2014年 4月 那珂記念クリニック 副院長
【学会活動】
日本糖尿病教育・看護学会   評議員
日本糖尿病学会   学会員
茨城県糖尿病療養指導士会(ICDE) 会長
日本糖尿病協会 茨城県糖尿病協会 役員
【表彰】
日本糖尿病学会関東甲信越地方会コメディカルアワード
日本糖尿病教育・看護学会フロンティア賞
第11回糖尿病療養指導鈴木万平賞
第23回糖尿病教育・看護学会 学術集会大会長

継続的な外来での糖尿病療養指導が重要というお考えをずっとお持ちだったのですね。


以前勤務していた基幹病院では、外来・病棟の両方で糖尿病診療に携わってきました。約20年近く前にはなりますが、当時の病院外来では糖尿病の患者教育はほとんど行われていませんでした。そもそも必要だと思われておらず、教育入院をすれば良くなっていくものだと考えられていたのです。しかし、2週間の教育入院は一過性のものであり、半年もすると悪化してしまう患者さんも多くいらっしゃり悔しい思いをすることもありました。このようなことから、糖尿病教育は一度教えて終わりではなく、継続して患者さんの状況を知り、都度必要な指導していくためにも、外来での療養指導が必要であるという考えが、私の糖尿病療養指導の原点です。

クリニックで外来の療養指導を行うにあたって、まずどのようなことから始められたのですか?


外来での継続的な療養指導を実現するために、那珂記念クリニックでの勤務を始めました。まずは院長と相談をして「療養指導のためのスペース」を設けることから始めました。それまでは専用のスペースは無く、そもそも外来看護師の「業務」として組み込まれていませんでした。そのような状況を打破したかったのです。現在では「在宅自己注射指導管理料」、「糖尿病合併症管理料」、「糖尿病透析予防指導管理料」などの糖尿病患者さんへの指導に関連する診療報酬が徐々に設定されていますが、以前はそのような「評価」も無い状況でした。那珂記念クリニックでは、その当時から、患者指導を糖尿病診療において重要な業務と位置づけ、スタッフに対する独自の評価制度を設けています。開業当時は、そういった考え方や意識がなかなか理解されないこともありましたが、今ではどのスタッフにとっても当たり前の業務となっています。

DMエキスパートは、療養指導を行う上でスタッフにどのように影響を与えているのでしょうか?


当院での特徴的な診療体制として、患者さんへの診察前の「問診」は看護師だけではなく、さまざまな職種のスタッフが実施している点があげられます。
これにはDMエキスパートの問診テンプレートが活躍しています。この問診テンプレートを使用することで誰が問診を実施しても一定レベルの情報が得られる他に、スタッフのコミュニケーションスキルが上がることを実感しています。通常、クラークや検査技師などの看護師以外のコ・メディカルは患者に対して問診を実施するための教育を受けていることは少ないのではないでしょうか。問診テンプレートは、質問事項だけでなく、例えば「低血糖があった」と患者が回答した場合に、次に何を聞けばよいかが自動的に表示されるようになっています。問診に不慣れなスタッフであっても「何を問いかけたら良いのかわからない」ということがなく、抜けや漏れがなく問診することができ、入職1ヶ月目の新入職員でも十分実施できるシステムなのです。

問診テンプレートの活用でスタッフの自発的スキルアップや患者様への対応に何か変化はありましたか?


こうして徐々に患者さんとの接点を持ち、接し方を学んでいくことで、スタッフ自身が「患者さんに聞かれたら応えられるようになりたい」という意欲を持って、自発的にスキルアップを目指すようになってくれます。併せて、外部の研修会の活用や院内でのロールプレイ研修なども行い、スキルアップの機会を設けてサポートしています。
また、問診を取りながら指導ができる点もこのテンプレートの良さだと感じています。例えば、患者さんに達成率を聞くこと自体が患者さん自身の振返りを促しており、気づきに繋がり、達成率が低ければ、スタッフ側も「なぜ?」という疑問を投げかけるきっかけになるのです。

DMエキスパートは、入力欄をクリックすると簡単に誰が情報を入力したのかがわかるようになっています。チーム医療において、責任の所在を明らかにすること・自分の言動に責任を持つことはとても大切です。実際に診療においても入力された情報を見て気がついたことは、すぐに担当スタッフにフィードバックをするようにしています。

電子カルテ導入前と比較して、これから電子カルテ導入を検討されている医療機関へおすすめしたい点はありますか?


電子カルテが導入される以前、紙のカルテで診療をしていた当時も、現在と同じくさまざまな職種の人が関わって糖尿病患者さんへの指導を実践してきました。紙のカルテから電子カルテへ置き換わることで、誰でもどこからでも、複数のスタッフが同時に患者さんの情報へアクセスできるようになりました。これにより、まさに「チーム医療」で各スタッフがそれぞれ持ち寄った患者さんに関する情報を一元管理し、すぐに自身の指導に活用できるようになったのです。開院当時から療養指導に対する基本的な考え方は脈々と続いており、これをより効率的に実現してくれるのがDMエキスパートなのです。

もっと患者さんと関わっていきたい、指導の時間が取れないと悩んでいるクリニックでは、DMエキスパートがその悩みを解決してくれるかもしれません。DMエキスパートの画面を見れば整理された情報が短時間で得られ、患者さんからベーシックな情報を誰でも聞き取ることのできる環境を整えれば、必要なところに必要な時間をかけることができるようになり、より良い診療に繋がっていくと実感しています。