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データ共有、グラフ化が患者指導に有益

医療法人社団 髙木内科クリニック 院長 髙木 正人先生

糖尿病内科、一般内科、小児科

DMエキスパートを導入した経緯について教えてください。


当院ではDMエキスパート導入前までは紙カルテで診療していました。糖尿病治療は長期間にわたる患者さんが多く、これまで診療に使用してきた個々人の紙カルテが積み重なり、院内のスペースを圧迫していました。さらに、診療のたびに紙カルテに情報を書き加えることで次第に見づらくなり、内容を把握しきれない問題点もありました。このような運用を改善すべく、電子カルテへの移行を検討していたところDMエキスパートの存在を知りました。DMエキスパートは糖尿病診療に特化した電子カルテであり、院内の電子化により紙カルテよりも効率的に診療を行えることを期待しました。また院内のマンネリ化の打破と活性化も考え、現状の運用を続けることよりも変化を求めて導入を決意しました。

紙カルテからの移行方法についてお聞かせください


紙カルテで使っていたハンコは、検査セットやSOAP定型文コメントとして登録し、前回処方を事前にオーダ登録しておくことで、Do操作することができ、稼働後のオーダ入力時間の短縮ができました。また、当院はレセコンを使用していましたが、DMエキスパートはレセコン分離型で、日医標準レセプトソフトORCAを採用していることを知り、予めレセコンをORCAに変更しておいた事でスムーズにデータ移行でき、事務員も操作習得の負担なく運用開始できたと思います。

紙カルテと電子カルテのメリット・デメリットについてはどのようにお考えですか


紙カルテは過去を振り返ることが得意であると感じています。過去の診療経緯を調べる際は手元の紙カルテをパラパラと見直すだけでよく、患者さんの所見写真なども手元で簡単に見比べることができます。一番のデメリットはスペースを圧迫してしまうことだと考えます。また手書きのためSOAP記入に時間がかかってしまうことや、先述したように処方薬などは都度修正して書き換えていたので、パッと見た際にわかりにくいというデメリットもありました。
一方、電子カルテでは常に最新の投薬情報が表示され、処方薬の用量変更やDo処方も一から記入する必要がなく、手間が省けます。紙カルテでは過去に自ら記入した文字が読みにくいこともありましたが、電子カルテではそうした心配もありません。ただ、電子カルテは、画面で一度に表示できる履歴情報には限界があり、紙カルテのようにスムーズに過去の情報を探すことが難しいというデメリットもあります。

DMエキスパートでの実際の運用をお聞かせください


まず患者さんが来院され受付をします。この時点で連絡事項があると、事務員がDMエキスパートの付箋機能を利用してカルテ内で情報を共有します。その後、看護師がDMエキスパートの問診用テンプレートに沿って問診し、電子カルテに必要な情報を入力します。このテンプレートは、肥満外来用や栄養指導用といくつか作成しているため、場面に応じて使い分けることで均質な情報収集が可能になり、診療の質の向上に貢献していると思います。
次回来院の予約は、DMエキスパートの予約NAVIを利用し、診察室でも受付でも対応できるようにしており、現状、この運用の流れは非常に上手くいっていると感じています。また当院は、2つの診察室を交互に使い、看護師が診察前問診を行っている間に、もう一つの診察室で医師が診察をしています。診察時、医師はSOAPを入力し、隣の電子カルテ端末で補助に入っている看護師や事務員が代行入力でオーダ登録を行う運用をしています。それにより、入力時間を短縮でき、患者に向き合える時間がとれています。

DMエキスパートの良い点を教えてください


よく使用するのは、Multiple Medical Information eXpresser(以下、MMIX)と呼ばれる複合医療情報参照チャート画面です。この画面では、時系列に沿って治療経過を容易に把握することができます。また、以前は別のシステムCoDiC(※1)を使用して血糖、HbA1c変動のグラフを作成しなければならなかったのですが、現在はDMエキスパート上で検査値の時系列推移グラフを作成でき、すぐ確認できるようになりました。これにより患者にグラフを見せながら指導でき、1年間単位で振り返ることで、どのタイミングで生活様式が変わったのかなど話題も振りやすくなりました。このように、患者さんに対してビジュアル面を利用した指導ができるのは非常に有益だと思います。さらにグラフ以外にも眼底写真や腹部所見のヒアリング内容を画像として保存し、確認もできます。例えば眼底写真は前回と今回の写真を一緒に画面上に表示することで、患者さんに比較しながら説明できます。 今回、アークレイの検査データ管理システムMEQNET CareLabも導入し、院内検査の測定結果が揃うと検査報告書が自動印刷される機能を活かし、即時検査結果を患者さんと共有できています。また、これまで手入力をしていたCoDiCへの院内検査結果の入力作業は、DMエキスパートに搭載されたCoDiCとの連携機能を活かし、毎月のデータを一括でCoDiCへ取り込むことで、スタッフの手入力の手間が減りました。

※1 CoDiC:一般社団法人糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)の糖尿病データ管理ソフトウェア。(Computerized Diabetes Care)

今後の課題、期待される点についてお聞かせください


まだDMエキスパート内にデータが蓄積されていないのも要因ですが、過去のデータを確認する際にはどうしても紙カルテは手放せません。紙カルテ、電子カルテにもそれぞれ得意不得意がありますので、それぞれの良さを活かせるように組み合わせて診療していくことが重要だと考えています。さらなるバージョンアップで、より効率的にチーム医療、糖尿病診療に貢献できる機能が搭載されることを期待しています。